-「緑の中を行くランナーのいる街」第1回シンポジウム-

兼信 英雄 開催の挨拶

 本日はようこそおいでくださりありがとうございます。
「緑の中を行くランナーのいる街」シンポジウムの開催のきっかけは、日常の生活をしたり、経済活動をしたりしてますと、自然の事とか、健康の事は忘れがちであると思います。

 私は、毎朝ジョギングをしております。玉島の天神山と言って、ちょっと小高い丘なんです。コースは約1周800Mです。そこを5.6回まわっております。南には瀬戸内海、東には高梁川のながれ、北には遥照山、西には円乗院と言うお寺の見える、大変見晴らしの良いところなんです。そこを早朝、木々の緑を見ながら、野鳥の声を聞きながら走っていますと、ああ、木と共に、野鳥と共に生きているという、なんとも言えない気持ちになります。

 私は、トライアスロンと言う競技をいたします。宮古島大会に今年で3年連続出場しました。水泳3Km、自転車155Km、マラソン42.195Kmの距離があります。朝8時にスタートして、夜8時頃ゴールするわけなんです。

 昨年の大会のことですが、日もとっぷり暮れ、マラソンの30Km付近、体力も気力もなくなり、フラフラになっているところへ、5歳ぐらいの女の子がキャンディをくれました。私はこんな見知らぬ者に親切にしてくれるのか、と思ったら涙が出てきまして、ゴールまでずっと涙が止まりませんでした。

 人間、極限の状態になると、人の優しさとか、自然の美しさとかを特別感じるのでしょうか。沖縄の海は特別きれいです。瀬戸の海は泳ぐとき自分の手さえも見えませんが、沖縄の海は20Mぐらい先まで見えて、熱帯魚がみえます。

 東辺名崎と言うところは、百合の花とヒルガオのピンク色のジュウタンが一面に広がっていてこの世の物とは思えないくらい美しいところがあります。自然のすばらしさをつくづく感じるわけであります。

 一方、皆さん今の地球環境はどうでしょうか。オゾン層破壊の問題一つをとっても恐ろしいことになってきているのです。今から約20年前、アメリカのローランド博士と言う人が、オゾン層は破壊され10年後にはオゾン層穴があき、20年後には人体に影響がでて、30年後取り返しのつかない事態になるだろうと警告しました。しかし、それは現実となり南極のオゾンホールは、日本の面積の50倍にもなっているそうであります。オゾン層がなくなると紫外線Bで盲になったり、皮膚ガンになったりするそうであります。反対の表現をしますとオゾン層ができたから人類やあらゆる生物が生まれてきたと言われております。

 又、地球温暖化の問題にしましても、この100年急激な温度上昇カーブをしているそうであります。原因はCO2濃度急激な上昇だそうであります。車や工場の出すCO2が急激に増え、一方で森林破壊が進み、自然循環サイクルが壊れてしまったからだといわれております。ゴミの問題もその通りだと思います。

 私は休日、バイクの練習で成羽町に行きます。約50Kmの道のりで感じますことは、安心して自転車を走らすところがないということです。自転車通学路は切れ切れであります。又すぐ側を大型トラックが通って行きます。風圧で吸い込まれそうになることがあります。坂道などで汗まびれになって登っておりますと、黒いばい煙を吹きかけて通過していきます。トラックの運転手はあまり罪の意識はないと思います。何時の場合でも強い立場の者がそうであるように。

 それから山に目をやると、松は茶色になっています。それに空中散布を行っているところを見るのですが、私は松食い虫だけでなく、益鳥も益虫もすべて殺しているような気がしてなりません。

 一方高齢化社会を迎え成人病が社会問題化しております。現在死亡率の2/3は成人病といわれている。脳卒中、心疾患、ガンなのであります。

 この成人病に有酸素運動が効果あると厚生省が発表しています。この有酸素運動を続けると、血圧、血糖、コレステロール、尿酸、肝機能、すべて改造されるそうであります。この走ること、泳ぐこと、自転車漕ぎが、私のやっている、トライアスロン競技であるわけでございます。

 以上のようなことからこのシンポジウムを計画いたしました。だいぶ前置きが長くなりましたが、パネラーの方は私の友人ばかりです。

 特に、中尾さんは73歳現役トライアスリートで、今まで78回出場されており、今年は15回トライアスロン出場されるそうです。

 それぞれの分野の権威の方ばかりなのできっと興味深いお話になると思います。楽しみにしてください。それではよろしくお願いします。

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