-溜川浄化リサイクル運動について-

 街の雑踏から逃れ、緑並木の中から湖畔を眺めるとカルガモの親子がゆっくりと泳いでいるのが見えます。水はきれいに透き通っていて湖底の砂地が見え、色とりどりの錦鯉が見えます。芦原のある浅瀬では子供たちがトンボを追いかけたり、ドジョウやザリガニと遊んでいます。この公園に来ると時間がゆっくりと流れ自然とストレスがなくなってきます。
誰もがこんな懐かしい情景を思い浮かべて、こんな湖水公園があったらいいのにと思うに違いありません。玉島に湖水公園を作ろうと言われて久しい訳ですが一向にその姿が見えて参りません。それどころか水は汚く濁り悪臭を放ち、湖底は大量のヘドロで汚染され、
芦原はコンクリートの護岸工事でだんだんと少なくなりつつあります。とても湖水公園とはほど遠い情景です。行政に公園の造成をお願いすることも勿論大事な事です。 その前に、我々玉島市民が1人1人考えなくてはならない問題があると思います。 それは何故川が汚れたか、何故こんなにヘドロが溜まったか、何故ドジョウやザリガニがいなくなったか。ということです。この問題の解決なくしては抜本的解決にはならないと思います。
それでは何故川が汚れたか、大きな原因が3つあると思います。

1. 家庭から出る生活雑廃水(特に合成洗剤による)と工場排水。
2. 農薬。
3. コンクリート護岸。土による水の浄化、水生植物による水の浄化作用を遮断してしまった。

 ここで、ちょっと視点を変えて高梁川を見ていただきたいと思います。下流までそんなに汚くはないと思います。それが農業用水となって溜川に入ると何故あんなに汚くなるのでしょうか。それは住民の意識の問題だと思います。上流の人は下流の人が飲み水にするという意識があるから、生活排水でも農薬でも少し控えて使う。1方下流の人は後は海に流れるだけという意識のため生活排水でも農薬でもどんどん流す。この意識の差がこんなに水の汚染に影響するのです。
もう一つの問題は自然浄化のサイクルであります。水を考えてみても、雨で降った水は森林のバクテリアで浄化され、土の中を通ってまた浄化され、葦などの水性植物によりきれいになり、海に注ぎ水蒸気になって雲になるという自然循環で、今まで地球の水は何万年もきれいであったと思います。しかしここ100年ぐらいで急激に水が汚くなったと思います。簡単に言えば人間の出す汚水の量が増えて、水の自然浄化能力を上回った、おまけにコンクリート護岸で自然サイクルまで遮断してしまったという事です。
 この問題は空気や、木材をはじめとする物の問題にも当てはまり、地球温暖化、オゾン層の破壊、森林伐採、ゴミ問題をはじめとするすべてに当てはまる事です。
話がちょっと横道に反れましたが、要するにこの「意識の問題」と「自然サイクル」の問題の解決がカギであります。1人でも多くの方に溜川きれいにしようという意識を持って持ってもらう。
それと自然サイクルの環境を整えること。そうすれば溜川の水は次第にきれいになるでしょう。しかし自然サイクルで水がきれいになるには流れ込む家庭排水や汚水が多すぎます。
 そこで何か自然サイクルを助ける物が必要となります。その一つが蘇生型のバクテリア群であります。森林の浄化作用がまさにバクテリアによる物であることは衆知のとおりであります。バクテリアには酸化型腐敗型の物と不酸化型蘇生型のものがあります。この不酸化型蘇生型のバクテリアを数10種類まとめたものがあります。これを培養して川に放流すると水がきれいになりヘドロがなくなるわけであります。市街地に森林を作ったのと同じ効果があるわけです。河川や沼にこれを使って環境浄化に成功した具体的実施例は日本でも数多く報告されています。顕著なものは、千葉県の手賀沼と言う沼、(日本でも1番汚い沼)、市民運動によりこのバクテリア群の放流を行ったところ、約3年で湖底の砂地が見え始めたと言う報告があります。
また茨城県にある相野谷川と言う河川に溜まった20CMヘドロが数名のボランティア活動で約半年でなくなったという報告もあります。
具体的方法は

1. 溜川周辺や溜川上流の各家庭から米の研ぎ汁にボカシ(米糠にバクテリアを培養した物)(1K300円)キャップ1杯を入れ約一週間おいて川に流してもらう。
2. バクテリア原液1L(2,000円)糖蜜1L(800円)に水を加え20Lにして  約1週間おいて川に流す。この培養液1Lにつき汚水10tの浄化能力があると言われています。溜川の総水量を210,000tとすると、計算上では20Lポリタンクにして1,050杯分(金額2,940,000円)流し込めばきれいになると考えられます。 

上記2つの方法を併用して行えば2.3年で汚水がきれいになり、ヘドロもなくなって砂地の湖底が見えるのではないかと思います。
 溜川にドジョウやサリガニが蘇生し、砂地にはシジミが捕れるようになり、緑と水のある公園、そこでは子供が網を持って遊び、大人はゆっくりとくつろげる場所になると思います。玉島市民、次第の世代の人に最高のプレゼントになると思います。
何卒この趣旨にご賛同願いまして、浄財の寄付のお願いと、ボランティアのお願いをする者でございます。

平成9年10月1日
溜川環境研究会
責任者 兼信 英雄

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