-有意義だった「環境問題シンポジウム」 -

 10月4日に玉島文化センターで「環境問題シンポジウム」(玉島ライオンズクラブ主催)を開きました。これまで、水質浄化委員長として溜川(倉敷市玉島)の浄化などと取り組んできた私にとって、集大成とも言えるものです。おかでさまで500人もの方々に集まっていただき、有意義な会となりました。
 シンポジウムでは、韓国赤十字社のベ・ミョンチャン会長に講演をお願いしました。ベ会長は韓国・釜山市のゴミ問題を解決した人であり、私の友人でもあります。
 これまで何回もお会いしていますが、環境問題と本気で取り組んでいる姿には頭が下がる思いです。
 講演の中で印象的だった話をいくつか拾ってみます。

● 赤十字活動について
 赤十字の活動は、今までは戦傷者の保護と募金が主な活動でした。しかし、全世界で見ると、 現在は環境破壊が原因で死亡している人の方が増えているのではないでしょうか。これからは、 人類の敵である環境問題にも赤十字が積極的にかかわっていかないといけないでしょう。日本の赤十字 は難民問題に一生懸命で、環境問題まで立ち入っていません。

● 生ゴミ問題が解決するまで

 韓国景気が“バブル”だったころ、釜山市では、生ゴミをはじめ、すべてのゴミを埋め立てていま した。海は悪臭と汚水でひどい状態でした。私は、この状態を何とか解決できないものかと頭を 悩ま せていました。 生ゴミの中にみそや砂糖、塩などを入れました。生ゴミ自体を冷蔵庫の中に入れたりもしました。 しかし、どれもうまくいきません。EM菌も使いましたが、当初は条件が悪かったのか、いまひとつ成果が上がりませんでした。
 ボランティアで600世帯がゴミ処理をやろうとしていましたが、あまりの悪臭にみんなやめてしまいました。仕方なく、運転手と2人でゴミを処理したこともありました。農家も引き取ってくれず、500坪の土地を買って仮置きしていました。
しかし、EM菌を利用する過程で、密閉方法や水分の問題を解決したところ、臭いもなく“本当に使える”堆肥ができあがりました。
 発酵と腐敗は、似たようなものに思われますが、天と地ほどの差があります。作用するバクテリアが発酵型か腐敗型かで大きな違いが出てくるのです。温度や湿度などのちょっとした違いで変わってしまうんです。
 このようにうまく事が進むようになると、マスコミも取り上げてくれるようになり、行政も動き始めました。生ゴミのリサイクルが本格的に動き始めたのです。

べ・ミョンチャン会長とともに
べ・ミョンチャン会長とともに

 以上のように、ベ会長は、これまでの体験談を日本語で話してくれました。自治体関係者らの顔も見受けられ、大変感激して帰られました。環境に何らかの興味を持っている人には、今回のシンポジウムはよい意識付けになったと思っています。
 私はベ会長の話を聞いて涙が止まらなくなりました。次世代の人たちのため、美しい地球環境を残すため、あらゆる非難、中傷を乗り越え、いかなる労力も惜しまない、献身的行動に住民が動き、400万都市・釜山も本気で取り組み始めたと思います。私はベ会長の信念と涙に心から敬意、拍手を送りたいと思います。こんなにも人間愛あふれる人がいたということに、我々一同、講演会に参加した人すべてが、環境問題に取り組む勇気を与えていただけるような気がいたします。ベ会長さん本当にありがとうございました。

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太陽くんの環境ノート
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