-溜川の水質浄化についてのご提案-

 われわれの貴重な財産である「溜川」。しかし、残念なことに生活雑排水がどんどん流れ込み、水は濁り、悪臭が立ち込め、岸にはゴミがあふれるという昔の姿とは似ても似つかぬものになってしまいました。
 そこでわれわれはきれいな溜川を取り戻すため、3年ほど前から何度となく、EMバクテリアを放流してきました。その甲斐あって、ヘドロ臭や透視度は改善され、絶滅の危機が叫ばれているメダカの姿も見られるようになってきました。
 しかし、この状態がいつまでも続くとは限りません。そこで私が会長を務める玉島商工会議所環境委員会では、子供や孫の世代に美しい川を引き継いでいこうと、水質浄化についての提案書を作りました。その中でわれわれは、溜川の未来像についての提案をしています。目指すのは「循環型社会の構築」。次に示すのがいくつかの構想です。

1.堆 肥 化 施 設 の 創 設
微生物を利用して、短期間に良質の堆肥を作ることができるプラントを創設する。ここで家庭の生ゴミ、刈り取った雑草や水生植物を処理。出来上がった堆肥は農家に安価で提供する。
谷 川 や 用 排 水 路 の 改 修
コンクリートなどで覆われた水路を、土羽や空石積などの工法で、自然型護岸に改修。浄化能力を高め、メダカやホタルの住める親水公園を作る。

2.水 生 植 物 の 植 栽
窒素やリンを吸収しやすく、水質浄化能力の高いヨシやマコモを、貯水池や遊水池に植える。十分生長したものは堆肥の原料にもなる。

3.排 水 の 再 利 用
下水処理場から出た排水を遊水池の水で薄め、かんがい用水として反復利用する。肥料の使用を減らし、海水の富栄養化の進行を抑えることが目的。
そのほか、二酸化炭素の吸収率が高く、食用や紙、炭としても利用できるケナフを大々的に栽培してもいいんじゃないでしょうか。

 この構想を基に、下のような図を作ってみました。これまでわれわれは、利便性、快適性、経済性をどんどん追求してきました。その代償として自然破壊がどんどん進んでしまったのです。だからといって、今の生活を犠牲にすることはできないでしょう。
 この汚染状況では、自然界だけで処理できる能力を上回っているのが現実です。ゴミを出したり、雑排水を流さないようにするのは当たり前ですが、環境と文明の調和をどう取っていくのかを真剣に考える時が来ているのです。

循環型地域社会
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 溜川の清浄にご協力いただいている方のご意見が
山陽新聞のちまたに掲載されました。

●メダカが泳ぐ川に皆の手で   山本日出子 49 主婦  (倉敷市玉島柏島)    

 十二日付「滴一滴」を読んで、岡山県建部町の「めだかの学校」の開設時、七色のメダカに魅せられて、娘と訪れた十一年前を思い出した。赤、白、ブルーなどのメダカに親子でびっくり。幼い娘の質問にも丁寧に答えてくださった。家に帰って、早速飼育してみようと、メダカを取りに行ったのだが、群れになって泳いでいると思っていた近くの小川にメダカは見つからなかった。そこで「メダカはどこへ行ったの」というテーマで倉敷市内はもとより、吉備路の辺りなど県南の小川や水路をあちこちとメダカを求めて探し歩いた。その時、奇形のメダカも見つかりびっくりした。
 昨年、環境庁がメダカをレッドリストの絶滅の恐れがある種に分類した。そのきざしがすでに十一年前にもあったのである。
 今、玉島ライオンズクラブでは玉島の溜川にメダカやフナが泳ぎ回り、子供たちが水でたわむれている、そんな湖水公園を夢見て水質浄化に取り組んでいる。また昨年十一月には地域の人々と溜川のごみを取り除いたが、何と四㌧トラック二台分ものごみが出た。ペットボトル、ビニール袋など生活ごみがほとんどであった。そのごみ処理についてはあちこちにお願いに行ったりして、なかなか大変であったらしい。
 環境問題は一人ひとりの認識が大切だ。そして住民が立ち上がった時、行政も温かい協力をお願いできたらと思う。今年も六月六日にまた実施する予定である。

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太陽くんの環境ノート
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